ストーリー⑧
レジに並んでいる私。
前にはもう1人おり、順次会計を済ませ、流れで私の番が来た。
そのまま私はレジの店員さんに呼ばれて進んだ。
私は文庫本を買ったのだがなんとなく習慣的にブックカバーをつけてもらっていた。
今時、エコだとか口うるさいが、カバーひとつでどこでも読めるお手軽な書籍になるのが、私にとってはすごく嬉しいのだ。
カバー付きの本を手渡され、お金を払い私はこの本をどこで読もうかな?
なんて思いながらレジを後にして、店を出ようとした。
すると、声をかけられた。
「あの。すいません」
私は頭にはてなマークを浮かべながら振り返った。
そこには後ろに並んでいた彼がいた。
さっき、変な声の掛け方をしたのもあり、まさか向こうから声をかけられるとは思ってもいなかったので驚いた。
「あ、えーっと。さっきはすいませんでした。なんか水刺してしまったようで…」
彼は、振り向いた私に向かって、少し早口でそう言った。
「水を刺した?」私は疑問をそのまま口にしていた。
「いや、さっきの人と、デートとかだったんじゃないですか?邪魔しちゃったんじゃないかと」
私が1人でいるところを見て、彼はそう言ったのだろう。
だとしても、さっきは私から声をかけたのだ。
君がなにか罪悪感なんかを感じる必要はないだろうと思いつつも、そんなふうに見えていたのかとか。妙に冷静になっていたと思う。
「ううん。大丈夫だよ。むしろ、ありがとうってくらいだったんだよ」というと彼は察したの半分、理解できない半分といった感じで、小さく首を傾げた。
「さっきの人は会社の先輩で、お昼誘われてただけだから、どうやって解散しようか悩んでいたくらいだよ?」なんて、ありのまま言うのもおかしいな。とか思いながらも口が先に出ていた。
「えーっと。なら、大丈夫だったんですかね?」彼は不安と安堵の表情で言った。
「うん。だから、大丈夫だよ。なんか、こっちの方こそ気を遣わせたみたいでごめんね。」
「いえ、僕は何も…」
20代半ばなんてのは私自身、まだ半分学生。半分社会人みたいな態度にしか思っていないが、彼を見ていると、なんて初々しいのだろうとか思ってしまった。
「もしかして、暇してる?」
今日の私はやはり何かいつもと違うようだ。
普段の自分なら、こんな風に話したりする事なんて無いのに、自然とこんな言葉がでているのだ。
そんな風に思いながらも、そんなこともあるか。とかと楽観的でもあった。
返事は
「はい。暇してますよ」
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少し間隔空いたから、流れとかあってるかな?
って不安ですわw
ぽつぽついきましょー